第3回 企業インテリジェンス(インテリジェンス・サイクルを構成する五つのプロセス)
本連載の主題である「インテリジェンス・サイクル」そのものを、あらためて掘り下げたい。これは、情報活動や諜報の実務で用いられてきた標準的な工程を指す。誰か一人の発案というより、情報機関や学術の場で練り上げられてきたもので、とりわけ米国の情報機関(CIAやNSAなど)で広く使われてきた。第二次大戦後の冷戦下で情報活動が体系化される過程で輪郭が定まったもので、明確な「提唱者」がいるわけではなく、軍事戦略や諜報の現場から立ち上がったモデルである。骨格をなすのは、①情報要求(Requirements)②収集(Collection)③処理・分析(Processing and Analysis)④報告・配布(Dissemination)⑤フィードバック(Feedback)という五段階だ。
経済安全保障の基礎知識(第3回)
経済安全保障の基礎知識(第2回)では、なぜ各国が経済安全保障に力をいれるようになったのか、その背景について説明した。3回目の今回は、日本における経済安全保障の基本的枠組みについてお話ししたい。
インテリジェンス基礎理論(第3回)
情報活動は、思いつくままに情報を集め、分析する活動ではない。一般に、情報要求→収集→処理→分析・作成→配布→意思決定という一連の流れによって行われる。これを「インテリジェンス・サイクル」という。
まず、意思決定者が「何を知る必要があるのか」という情報要求を示す。それに基づいて必要な情報を収集し、分類・整理などの処理を行い、分析してインテリジェンスを作成する。それを意思決定者へ提供し、政策や経営判断に役立てる。そして、情勢の変化や意思決定によって新たに知るべきことが生じれば、次の情報要求が出される。
ここで重要なのは、サイクルの出発点となる情報要求である。何を知りたいのかが曖昧であれば、どれほど大量の情報を集めても、意思決定に役立つインテリジェンスにはならない。




